義務化されたストレスチェックの実施方法から結果の保存まで徹底解説

2015年に「ストレスチェック」の導入が義務付けられたのをご存知でしょうか。

しかし

  • ストレスチェックって何?
  • どんなチェックなの?
  • 対象者はだれ?

など、ストレスチェックについて疑問も多いもの。

そこで今回の記事では

解決できること
  • ストレスチェックの詳細
  • ストレスチェックで注意する点
  • ストレスチェックの対象者
  • ストレスチェックを導入するべき企業

について徹底的に解説していきます。

2015年に義務化された「ストレスチェック」とは?

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「ストレスチェック」とは、労働者のストレスを分析して、自分のストレス状態がどういったものなのかを調べる検査です。

労働に関する質問に答えてるだけで簡単に受けられることもあり、2015年12月から毎年1回の実施が義務付けられています。

 

では、ストレスチェックはどのようなことをするのでしょうか。

ストレスチェックではどんなことをする?

事前に準備された質問に対し、自身の回答を埋めていく簡単なアンケート方式です。

回答には4択あり、当てはまるレベルにチェックをいれていきます。

例えば、以下のような質問方法です。

 

【あなたの業務について教えてください】

Q.非常にたくさんの仕事をしなければならない

  1. 当てはまる
  2. どちらかと言えば当てはまる
  3. どちらかというと当てはまらない
  4. 当てはまらない

Q.時間内に仕事が処理しきれない

  1. 当てはまる
  2. どちらかと言えば当てはまる
  3. どちらかというと当てはまらない
  4. 当てはまらない

例文として挙げている質問ですが、回答方法は選択式のため答えやすいですよね。

しかし、なぜ「ストレスチェック」は義務化されたのでしょうか。

ストレスチェックが義務化された目的は?

ストレスチェックが義務化された目的は「うつ」などのメンタルの不調による退職・休職を未然に防ぐため。

 

労働者自身が

  • ストレスに対する考え方
  • ストレス解消を手助け
  • ストレス状態の緩和

 

など、自分の抱えているストレスの状態を理解することで、正しい対処を方法をとってもらう必要がありました。

 

異常にストレスが高い状態の場合は、

  • 医師の面談を受けて助言をもらう
  • 会社側へ仕事の軽減を要請


することも可能になります。

 

そんなストレスチェックですが、義務化されているににもかかわらず、対象の有無があります。

自身が対象なのかを確認しておきましょう。

ストレスチェック義務化の対象者は?

ストレスチェックの対象者となるのは、「常時使用する労働者」のことを指します。

この「常時使用する労働者」は、実は一般定期健康診断の対象者と同様です。

他にも特別な条件で義務化の対象になっているのをご存知でしょうか。

「労働者数50人以上の事業場」がストレスチェック義務化の対象

ストレスチェック義務化の対象として「労働者数50人以上の事業場」が含まれています。

 

1年の長期間の中、定期的に1度のストレスチェックと面接指導の結果から、精神的な負担を把握することを目的として行っています。

 

更にその結果を、厚生労働省の出先機関である所轄労働基準監督署長に提出しなければいけません。

「正社員」はストレスチェック対象者である

ストレスチェックの実施義務は、事業場の人的規模により変わってきます。

どの社員を対象にストレスチェックを実施する義務があるかは、個々の社員の属性に応じて判断されます。

 

しかし、雇用形態の如何を問わず、50人以上の事業場の場合、ストレスチェックの実施義務があることをお忘れなく。

パートやアルバイトは雇用条件による

定められた期間のない労働契約で、1週間の労働時間数が通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3(30時間以上)以上である場合、ストレスチェックを受ける必要があります。

 

雇用された際に形態を確認しておく必要がありますね。

「派遣社員」は派遣元のストレスチェックの対象となる

派遣社員の場合、派遣元の会社で実施義務があります。

必ず「派遣元」で受ける必要はありませんが、集団での分析や職場環境改善を考えた場合、派遣先の会社であわせて実施することが望ましいとされています。

事業主や会社役員はストレスチェック対象外

ストレスチェックは「労働者を対象」に行っているため、事業主や会社役員に対し、法的に受けさせる義務はありません。

よって、ストレスチェックの対象外となります。

労働者が50人未満だとストレスチェック導入は義務ではない?

ストレスチェックの導入を義務づけられている企業は「50人以上の事業場」です。

そのためストレスチェックの導入は不要となります。

例①

企業の労働者数:120名

本社:45名
支店1:35名
支店2:25名
支店3:25名

この場合はストレスチェック対象外。

例②

企業の労働者数:150名

本社:90名
支店1:30名
支店2:30名

この場合は本社のみストレスチェック対象

ストレスチェックの大まかな流れ

ストレスチェック対象となった場合、いったいどんな流れで進んでいくのか気になりますね。

ストレスチェックの大まかな流れについて説明していきましょう。

ストレスチェックを実施する前に準備すべきこと

ストレスチェックを実施する前に準備するのは大きく分けて7つ。

  1. ストレスチェックを実施する体制を作成
  2. ストレスチェックを実施する方法を決定
  3. ストレスチェックを実施する時期・対象者を選定
  4. ストレスの評価方法と高ストレス者の選定基準を設ける
  5. 高ストレス者の面接指導の方法
  6. 分析結果の利用と保存方法
  7. 従業員への拡散・周知方法

これらを事前に決めておくことで、ストレスチェックをスムーズに行えるだけでなく、今後の職場環境の改善にもつながります。

ストレスチェックを実施する

ストレスチェックの中身に必要な項目が複数あり、調査票によって内容は様々。

特に必要なのは

  • 仕事上のストレス要因について(職場での負担要因)
  • 心身のストレスについて(心理的な負担要因)
  • 職場でのサポート(他の労働者からの負担要因)

になります。

 

また、独自に項目を設定するには科学的な根拠が必要になりますが、厚生労働省で定められた「職業性ストレス簡易調査票」を用いることで独自の調査票を作ることも可能。

 

こちらから厚生労働省のストレスチェックプログラムを無料ダウンロードできます。(https://stresscheck.mhlw.go.jp/)

ストレスチェック後に行うべき対応

ストレスチェックの目的は「結果を受けて原因を洗い出す」こと。

 

ストレスチェック終了後に「改善につながる活動」を行う必要があります。

せっかく労働者の声を受けても、そのまま終わってしまっては全く意味がありませんよね。

 

結果を受けたあとは、ストレスの原因を改善するところまでが事業者側の義務です。

 

また、ストレスチェックの結果は実施者側から個人に直接通知されます。

  • ストレスの特徴
  • ストレスの傾向
  • ストレスの程度
  • 面接指導が必要性

の判定結果が記載されています。

 

もし、高ストレスと判定された場合、遅くても通知を受けてから1ヵ月以内に医師の意見を聴きく必要があります。

ストレスチェックを実施する上で注意すべき点

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ストレスチェック制度では、実際の労働者から集めた繊細な情報です。

プライバシーの問題も配慮して、情報の取り扱いはもちろん、労働者への配慮も視野に入れておきましょう。

 

また、ストレスチェックを実施するうえで注意しておきたいことも一緒にご紹介していきます。

事業主や役員はストレスチェックの実施者にはなれない

ストレスチェックの実施者は原則

  • 医師
  • 保健師
  • 厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師もしくは精神保健福祉士

です。

 

事業主や役員はストレスチェックの実施者にはなれないので注意が必要です。

実施者とは
ストレスチェックの実施者は

  • 調査票の質問の選定
  • 高ストレス者の選定
  • 医師の面談が必要か選定

を担当する人を指します。

ストレスチェックの結果を本人の希望なく閲覧してはならない

ストレスチェックを行う実施者は、情報を外部に漏らさないよう守秘義務があります。

 

そのため、本人の同意がない状態での閲覧はできません。

仮に違反してしまった場合、刑罰の対象となるので注意が必要です。

医師による面接指導の希望があれば必ず実施しなければならない

ストレスチェック対象者が「医師との面談」を希望した場合、必ず実施しなければいけません。

 

また面談結果を受けて、対象者を不利益の扱いや解雇・雇止めをする行為も禁じられています。

「高ストレス者」と判定された人にはどう対応すべき?

企業側は「高ストレス者」と判定された人のストレスの原因・対策を行う必要があります。

実際にストレスチェック者と面談を行い、細かくヒヤリングしましょう。

 

高ストレス者と判断された人は、日頃ストレスを感じてはいたものの、ストレスチェックを受けた結果「高ストレス者」と判定されてしまったケースがほとんど。

労働者との距離感を保ちながら今後の方針を同じ立場で決めていくことが大切です。

ストレスチェックにおける「高ストレス」は過重労働と同じ

ストレスチェックで「高ストレス」と判断されたことに対し、事の重大さに気付いてない人も多いのではないでしょうか。

 

実は、「高ストレス」は過重労働と同等のリスクがあります。

過重労働

過重労働とは、身体的なダメージが大きく過度な負荷を負わせた労働。

高ストレス

高ストレスとは、精神的なダメージが大きく過度な負荷を負わせた労働。

 

過度な労働が原因で、過労死につながるとされて社会問題にもなっています。

高ストレス者本人の同意を得て、専門医による面接指導を実施する

労働者は高ストレスによる医師の面接が必要と判断された場合、結果が通知されて1カ月以内に申請を行う必要があります。

 

また、事業者は面接指導の申請を確認後、1カ月以内に面接指導を実施しなければなりません。

 

その際、医師との面接は、就業時間内に実施するのが一般的。

医師の指導のうえ、勤務時間の短縮や配置転換を行う

面接指導が実施され、ストレスの原因が把握できたのであれば、事業側は1カ月以内に必要と考えられる業務の改善をとる必要があります。

 

勤務時間を変更・制限、就業場所の変更など、労働者が不利益にならないように、お互いが十分に話し合って話を進めていきましょう。

ストレスチェック結果の保存方法は?

ストレスチェックの結果は、個人情報の1つとして扱われています。

 

ストレスチェックを受けたはいいものの、そこで得た診断結果とその情報はどのように管理・保管しているのでしょうか。

ストレスチェック結果の保管は事業者の責任

ストレスチェックを行った事業者には、結果を適切に保管する義務があります。

そのため、ストレスチェックを行う前に

  • 診断結果の記録
  • 面談指導の記録
  • 記録の保管方法
  • 記録の保存場所

を決めておく必要があります。

PCでストレスチェック結果の保存は書面か電磁的記録

ストレスチェックの結果は、第三者が容易にアクセスできないよう、紙媒体もしくは電磁的記録媒体(USBメモリ、CD-Rなど)での保存が必要です。

システム上で管理する場合は、サーバー内にパスワードを設定しておくことをおすすめします。

ストレスチェック結果は五年間の保管が義務付けられている

事業者は、ストレスチェックで得た情報及び面談結果を五年間保管することが義務づけられています。

 

但し、労働者側から受検結果を事業者に提供することの同意の有無や実施人数により保管者と保存期間が変動するため注意が必要です。

 

補足

・労働者の同意が得られた場合
保存者:事業者
保存期間:5年間

・労働者の同意が得られなかった場合
保存者:実施者
保存期間:5年間

・面談結果
保存者:事業者
保存期間:5年間

ストレスチェックの結果「高ストレス」状態だと診断されたら?

ストレスチェックの結果で「高ストレス」状態だと診断された場合、心身の健康状況を把握するために専門医師による面談・問診を行う必要があります。

 

精神面の状態や抑うつ傾向などについての診断、ストレスの原因がどんな業務によるものなのかを判定します。

 

企業側から義務を理由に受けたストレスチェックですが、これらの対応にかかる費用はどのくらいかかるのでしょうか。

ストレスチェックにかかる料金(コスト)は?

ストレスチェックのサービスを提供している企業や機関は、実は30種類以上あります。

 

サービスの違いは

  • 料金
  • 効率性
  • 専門性

の3つ。

 

実際にサービスを利用するにあたり、利用金額にどのような変化があるのでしょうか。

地域や人数によってケースバイケース…1,000円前後が相場

利用金額は平均で1人1000円が予想されます。

 

しかし、地域や利用人数により価格が上下することも。

ストレスチェックを地域や受ける人数により、サービスを選びましょう。

(参考:https://hcm-jinjer.com/media/contents/a-contents-roumu-stresscheck-171205

ストレスチェックの実施のための助成金もある

実は、ストレスチェックまたは医師からストレスチェックを後の面接指導を行うための助成金受け取る制度をご存知でしょうか。

 

条件として

  • 労働保険の適用事業場
  • 派遣労働者を含め、従業員50名以下
  • ストレスチェックの実施者が決まっている
  • 産業医師資格を所有する医師と契約しストレスチェックを行う
  • 自社の使用者・労働者以外がストレスチェックの実施及び面接指導を行う

が挙げられます。

早い段階でストレスチェックを導入しよう

 

規定や実施方法をしっかり押さえた上でストレスチェックを導入していきましょう。

深刻な労働問題を解消を目指し、利用できる制度を駆使しながら労働者のストレスに対応していきましょう。