仕事の出来なかった高校生が20人を指揮するバイトリーダーに抜擢され時給2200円を貰えた理由 | いつまでもアフタースクール
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仕事の出来なかった高校生が20人を指揮するバイトリーダーに抜擢され時給2200円を貰えた理由

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こんにちは、ぶんたです。

バイト、したことありますよね。高校生になるとどうしても友達と遊んだりしてお金が入用になります。高校時代、ぼくの周りもぼく自身もほとんどの人がバイトをしていました。

ぼくはバイトを始めた当時、傲慢で生意気でクソガキな高校生でした。しかも仕事も出来ないと来た。思い返すだけでも最悪な高校生です。

そんなぼくがどうしてバイトリーダーに抜擢され、自分より年上の大学生やフリーター、更には社員さんにまで指示を出すまでに至ったのか。そして周りが950円で働く中、なぜぼくだけが時給2,200円で働くことが出来たのか。

今回はそんなぼくのバイト時代のことをツラツラと書いていこうかと思います。これは別に自慢でもなんでもなく単なる成長の過程であり、今のぼくを形成する要となったテクニックの一つです。

それではバイトを始めるまでの過程から、ぼくがどれだけダメ人間だったのかを含めてその軌跡を書いていきます。


バイトの面接に落ちまくっていた高校一年生

ぼくは高校一年生の頃、根拠の無い自信の塊のような人でした。この時の自信は良い意味ではなく「実力の結びつかない根拠の無い自信」です。幼少期からの子役時代に大した結果も出せなかったのにチヤホヤされた経験がそんなぼくを形成していました。「自分は何でもできる」実力も無いのにそう思うことの危険性は今では痛いほど振り返ることが出来ます。それが高校生で始めたバイトという経験です。

バイトを始める時に必ずと言っていいほど乗り越えなければならないものが面接です。正直ぼくはこの面接を舐めきっていました。

テレビやCMに出演するためには必ずと言っていいほどオーディションというものがあります。要は面接ですね。過去に何百回とオーディションを受けてきたぼくには、バイトの面接なんて危惧する要因にもなりませんでした。何百人何千人の中から選ばれた経験のあるぼくにとって、コンビニ程度の面接なんてお茶の子さいさいだろうと高を括っていました。というか完全に馬鹿にしていました。

結果、初めてのコンビニバイトの面接で落ちました。

「あの店主、俺がどれだけ凄い人間かわかってないのか?」そんな意味のわからない憤慨をしていたクソ高校生時代を覚えています。

結局その後も落ちに落ちて「さすがにまずいなー」と少しずつ焦りが生まれてきました。
この焦りとは「何故落ちたんだろう?ぼくがいけないのではないだろうか?」という感覚ではなく単純に「そろそろ金が尽きるやべえ」というアホみたいな考えが元でした。相変わらず自分はデキると勘違いしたまま、落ちる度に最初の面接で落とされた時と同じことを考えていました。

貧乏少年、お金を求む

高校一年生の8月末。後期の学級が始まる直前、ぼくはただの貧乏少年でした。

ぼくの親はお小遣いというものを一切与えてくれない人でした。その代わり芸能界で稼いだお金に関しては経費を差っ引いた金額をそのまま貰えていました。それで貯まっていたお金で高校生を始めて半年は生き永らえていました。ただあれば使う様な正確だったので夏を終えるまでには20万円ほどあったお金は跡形もなく消えていました。だからこそバイトをしないとヤバイなと思っていた訳ですが、想像以上に上手くいかず…

毎日のお弁当、携帯代や学校の教科書に至るまで自分で賄っていたぼくにとってこれは本当にまずかったです。収入源は毎月1万2千円の奨学給付金と、時間差で入ってくる中学生時代の仕事のギャラでした。

悪知恵で受かったバイト

切羽詰まったそのとき、「普通に面接を受けるから受からないのかな?」と閃きました。

要は正面突破では無く裏口入学的なものが出来るのではと考えたのです。当時、お祭りの日雇いバイトを友達からの紹介で一緒に手伝った時にこれを思いつきました。誰かの紹介があれば受かるのではないか、と。

しかしプライドの高かったぼくは明らかに誇れるものではない現状を友達に伝え、しかもそのために懇願するなんて考えたくもありませんでした。

結果的にぼくが何をしたかと言うと、働きたいなと思っていた飲食店でバイトをしている高校生の名前を調べ「実は○○さんがバイトを紹介してくれるとの事でお電話したのですが…聞いてらっしゃいますよね?」と強引に押し通すと言うものでした。もちろん名前を出した高校生とは一度も会ったことがありませんし、そんな話も一切ありません。

しかしこの行動によりぼくはバイトが出来ることになりました。ちなみに面接は免除で電話だけで押し切りました。

いよいよ初仕事

悪知恵から始まったバイトは何故か凄く達成感がありました。まだ仕事もしていないのに「お金が入る!」と舞い上がっていたのを覚えています。ぼくは始めてのバイトの朝礼で「初代生徒会長やってます!まだ高校一年生ですがバリバリ頑張ります!」と思いっきり自分をアピールしていました。この日初めて、一般的な仕事で稼ぐ感覚をぼくは経験しました。子役時代の撮影は仕事という感覚はそこまでなかったので、お客さんがいるというのは新鮮でした。

ぼくのバイト先はとある観光地のお店でした。外はアイスクリームやお団子、ドリンクなど、お店の中ではラーメンをメインに販売していました。1つのお店で外と店内で販売口も別れ、少し普通のお店とは違う感覚です。シーズンになると毎日がお祭り騒ぎ。人混みでごった返していてバイトの人数も増え素早さも要求されます。お祭りと飲食店が合体したようなちょっと特殊な仕事でした。社員2名とバイトを合わせて20名が出勤するときもあるほど。決して広いとは言えない店内に従業員だけでどうやってこんな人数が入っていたのか謎でした。

余裕だと思っていたことで自信を砕かれた

そんな不思議なバイト先でぼくは一番簡単な外での販売を任されていました。大きな声で客寄せをし、お客さんに商品をその場で売ればいいだけです。簡単なんです。そして簡単だからこそ、ぼくは一瞬にして自尊心を削られました。

小さな頃から発声練習で鍛えてきたぼくにとって大声で集客をするなんて余裕でした。だと思っていました。

結果、先輩方の大迫力の声に気圧され、ぼくは一気に自信を無くしました。バイトは使えるアピールをしていかないと、シフトを削られることは友達の経験者から聞いていたのでぼくはかなり焦っていました。

(どうしてこんな風に出来るんだ…)

この期に及んでぼくはまだ自分以外の人を馬鹿にしていました。しかし圧倒的に込み上げてくる敗北感に度肝を抜かれました。

くだらないプライドと葛藤

ぼくがこのバイトを選んだ理由は自分の強みを活かせると思ったことが大きいです。単純に大声を出していればいいなら余裕だろうと思っていたんです。でも違いました。そんな単純発想ではうまくいかないことがわかりました。

ウリ文句を覚えて集客をしても、お客さんの視点に立つことができなかったぼくはとても無意味で中身の無い宣伝をしていました。プライドが邪魔をしてせっかく買いに来てくれたお客さんに満足のいく接客をすることができなかったのです。ぼく自身それをわかっていながらも変えることができませんでした。

「お客さんはこの日を楽しみにして観光に来てるんだよ。普段からこの場所にいるぼくらにとっては当たり前でも、わざわざ来てくれた人たちにはしっかりとその演出をしてあげなくちゃダメだよ」

社員さんから言われたこの言葉にぼくは頷く以外できませんでした。

使えない生徒会長

結局自信をなくしたぼくはバイトが嫌いになってしまいました。バイトをする前は「楽しそう」「簡単そう」と感じていた風景を思い出すことはできなくなりました。お金のために仕方なく通っていました。

ぼくよりもテキパキと仕事をこなせる人もたくさんいるし、唯一武器だと思っていた声出しもあまり役に立ちませんでした。接客は絶望的に嫌いになり、次第にお客さんと直接関わるポジションからは外されていきました。頑張れば頑張るだけミスも多くなり店長からは「ぶんたは本当に余計なことばっかしてくれるよなあ」と苦笑いしながら皮肉を言われることもありました。シフトは自分よりもあとに入ってきたバイトの方が優先的に入れられる始末。

このままじゃやばい。必要とされない自分にぼくは焦りました。

ダメなバイトだった経験が活かされた 

やっと自分の置かれた状況に気づいたぼくは真剣に仕事について考え始めました。それまではバイトの時間以外で考える事なんてなかった自分にとってこれは中々刺激的でした。落ち着いた状態で考えるといくつかの問題が整理されてきました。

まずぼくが武器だと捉えていた部分は全く武器ではなかったこと、もしくは代替できるような人間が他にもいたこと。声掛けだけでなく接客も上手な人もいますし、正直両方できるちょっと可愛い女の子は無敵です。この分野では勝負しても意味が無いなと感じました。

逆に自分が何の気なしに身につけていたことも浮き彫りになりました。それは使えなさすぎて様々なポジションに移動されたことで覚えた仕事の量でした。当時のバイトでぼくほどオールマイティに仕事をこなせる人はいなかったのです。もちろん仕事の質は他の人に比べて圧倒的に劣りますが、どこで何をすればいいかは店長や社員レベルで圧倒的にわかっていた自負はありました。簡単に言うと理論的には覚えていても100%のカタチで実践できていないようなイメージです。

これはもしかしたら活かせるのではないか。ぼくは閃きました。

実践して自分の立ち位置を見つけた

それからはどちらかと言うと仕事の少ない且つ、あまり他の人がやりたくないポジションに自ら立候補するようになりました。これには二つ理由がありました。

仕事が少ないというのはサボりたかったわけでは全くありません。このポジションにいることで全体を俯瞰的に見れる時間を作ろうと思いました。そして何か助けれる事態や新しく来た人が困っている時にぼくがすぐに向かえる状態が作りたかったのです。

また、他の人がやりたくないポジションというのは、それだけで重宝されることが多いです。特にバイトの人数が総勢40名ほど、出勤時は20名ほど出勤しているこの勤務先では店長が個々のバイトをうまく扱うことに終始頭を悩まされていたのを見ていたので、ぼくはそれを解消するためにも自ら買って出ました。

この結果「常に特定のポジションにいて、いざって時に助けてくれる存在」というキャラ付けができあがりました。徐々に周りの人が頼ってくれるようになり、店長や社員さんからも「ぶんたがここにいると安心感があるな」と言われるようになりました。

普段の頑張りが周りに認められた

繁忙期を迎えた頃、バイト先の本社からバイトリーダー制度の導入が促されるようになりました。業務効率化と指揮系統の統率がメインで、ポジション毎のバイトを管理し、指示を出す立場です。バイトリーダーになると必然的にシフトの優先的な確保をしてもらえるので、総人数の多いぼくのバイト先ではありがたい話でした。ぼくはやりたいなあと思う反面、年齢的にも厳しいだろうと感じていました。なんとなくリーダーは少し歳をとっている人がやるものだろうと思っていたのです。

そんな時、勤務の途中で店長から声をかけられました。

「ぶんた、外のリーダーやってみない?」

驚きました。まだ高校生であるぼくがそんな役目を担ってもいいのか。

「最近頑張ってるし、みんなに一通り指示出せるくらいには仕事覚えてるじゃん。やってみてよ」

ひとつひとつの仕事で誰かに勝てる部分はほとんど無かったぼくですが、これは本当に嬉しかったです。そして仕事に歳は関係なく実力や適応次第なのだとこのとき初めて知りました。

他のメンバーも普段から困ったときに助けていたのことが効いたのか「ぶんたならいいんじゃないか」と推してくれました。結果、ぼくは高校生ながら下は高校一年生、上は40代後半まで指示を飛ばすバイトリーダーへとなりました。

過去最高売上を達成!

バイトリーダーを任されてからのぼくは物凄く自信が付きました。何かを極めずとも慕われるような存在にはなれる。それが体現されました。

この辺りからバイトが本格的に楽しくなり、どうすればより売上を上げれるか、どのような配置や役割分担が出来るか、新人さんを最短で使えるようにするにはどうすればいいかなど物凄く真剣に戦略を練るようになりました。ぼくは次々に新しいポジションや販売方法、効率的な接客対応を生み出し、バイト間のコミュニケーションと売上の因果関係も見つけることができました。

その結果、売上は大きく跳ね上がり、過去最高をマークするようになりました。これだ。とぼくは思いました。

自分の価値への疑問

非常に達成感のある活動が出来て嬉しかった反面、日によっては200万以上の売上が上がり、効率化した影響で以前より人件費はカットできてロスも減らせているというのに今までと同じ時給なのがなんだか気に食わなくなりました。ぼくは高校生だったので時給950円。大学生以上は1000円でした。特に昇給みたいなものはなく、明らかにぼくの生み出した手法で売上が上がっているのは目に見えた事実だったのでこれだけは不満でした。せめて1000円くらいまで上げてくれないだろうか。そう思い店長に提案したのですが、なかなか会社側に掛けあってもらえませんでした。

まあ、そりゃそうか。決まりだしな。と思う反面、なんとかこれも変えれないかとぼくは思い始めました。

そしてまた閃きました。

二度目の交渉

現状でぼく以上に指揮や統率をできる人間はいません。だったらぼくがもしいなくなったら、さすがに周りからも危機感が出て店長にも通じるのではと思いました。

ぼくは繁忙期に出勤希望日0の希望シフトを提出しました。

案の定店長に呼び出されたぼくは事の次第を話し、もし上がらないのであればここを辞め他に誘われている場所でバイトをする旨を話しました。もちろんそんな話はありませんでしたし、完全にハッタリでしたがこの作戦は功を奏しました。いくら欲しいのかも提示されたのでぼくは時給2000円を要求しました。単純にそのくらいの価値はあるかなとも思ったのです。

結果少し条件はありましたが、最大で時給2200円まで引き上げることに成功し、高校生としてはあり得ない金額を頂けることができました。もちろん当時の周りのバイト勢には言えませんでしたが、価値を生み出せばしっかり評価してもらえることと、心理的な圧迫は決断を迫るときに使えるということをこのとき知りました。

冴えないバイトが奮起してわかったこと

このバイト先では高校生を終える少し前まで(ぼくは退学しているので正確にはそれまで)お世話になりました。ぼくはこの初めての社会経験で様々なことを学びました。

自分が強みだと思っていることはそうでない場合もあること。これは単純な発想であればあるほど、誰でも参入しやすいという理由があります。

そしてうまくいかないが故に得た特殊な経験は逆境の可能性を秘めていること。誰も経験したことのないような経験に独創的な発想が生まれます。

自分以外に生み出せない価値は大枚をはたいてでも求められるということ。しっかりと自分の価値を見出し有利な交渉に持ち込めば達成出来る可能性が高いです。

ぼくはこうしてお金を払ってでも身に付けたい知識と社会の真実をバイトという誰もが通る経験から学ぶことができました。特に3つ目の気づきは起業という道を選んだぼくには非常に活きた指標だと思います。

もちろんこの経験からわかったことはぼくだけに当てはまるものではありません。これを読んでいるあなたの仕事にも必ず活かせる知識だと思います。

もし今働いている場所で自信をなくしている人がいるなら、一度真剣に客観的な目線で自分の本当の強みを見つけてください。

その強みに最初に気づけるのはきっとあなただけですし、それに気づけた時、全ての物事が好転し、信じられない未来を築くことができます。

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